公開シンポジウム「沖縄をかたり継ぐこと——山城知佳子の映像作品における暴力と救済の形象」
INFORMATION
本シンポジウムは日米間の最大の懸案事項の一つであり続けてきた沖縄という問題に焦点をあて、第二次世界大戦、占領、米軍の駐留によってもたらされてきた沖縄とその人々の痛みや傷、そしてそれからの回復や治癒を表現し続けてきた映像作家の山城知佳子氏を迎え、21世紀の現代において、沖縄の歴史や文化はどのように語りうるのかという問題を考える。作品制作のプロセス、作品の意味、そして映像メディアと戦争のイメージ化といったトピックを、現代アメリカ文化におけるマイノリティのセルフ?イメージの構築と比較しながら、議論する。第一部では、山城氏の映像作品3作『肉屋の女』『土の人』『チンビン?ウェスタンー家族の表象ー』を上映する。その後第二部において、山城氏と作品出演者で舞踊家の砂連尾理教授と作品についてのトークセッションを実施する。
講師
映像作家、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科准教授
山城 知佳子(やましろ ちかこ) 氏
沖縄県那覇市生まれ。2002年沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科修士課程修了。東アジア地域で取り残された人々の声、体、魂を探りつつ、アイデンティティ、生と死の境界、歴史的記憶の移り変わりのテーマを様々な映像製作の技術を試みながら、映像の潜在性とパフォーマビリティの可能性に挑戦し続けている。2021年「山城知佳子リフレーミング」(東京都写真美術館)など多数。第64回オーバーハウゼン国際短編映画祭」ゾンタ賞、2022年度芸術選奨文部科学大臣新人賞などを受賞。
聖学院大学人文学部准教授
江崎 聡子(えざき さとこ) 氏
専門はアメリカ視覚文化、アメリカ美術およびジェンダー研究。長野県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学(地域文化研究専攻)。単著として『エドワード?ホッパー作品集』(2022年、東京美術)。共著に『描かれる他者、攪乱される自己──アート?表象?アイデンティティ』(2018年、ありな書房)、『ニューヨーク──錯乱する都市の夢と現実』(2017年、竹林舎)、『創られる歴史、発見される風景──アート?国家?ミソロジー』(2016年、ありな書房)。
振付家、ダンサー、本学現代心理学部教授
砂連尾 理
司会
本学文学部史学科超域文化学専修教授、アメリカ研究所所長
松原 宏之
詳細情報
名称
内容
13:00 作品上映
肉屋の女 A Woman of the Butcher Shop, 2016(27:30)
土の人 Mud Man(Single channel version), 2017(26:00)
チンビン?ウェスタンー家族の表象ーChinbin Western: Representation of the Family, 2019(32:00)
15:00 トークセッション:山城知佳子氏、砂連尾理、江崎聡子氏