立教大学

チャプレン　斎藤 徹

穏やかな日常、安心できる他者との関係などを失ってみて、初めてその大切さを痛感させられるという経験をしたことがあります。自然災害など天災はもはや日常になりつつあり、戦争や紛争など人災は世界で起き続けています。残念ながら私たちの日常は、穏やかでも安心でもなくなってきています。だからこそ、人と人の間には安心や平和を創り出そうとする私たちでありたいのです。

十字架上で命を失い３日後に復活したイエスは、弟子たちの前に姿を現し「あなたがたに平和があるように^※」と語りかけられました。「あなたに平和があるように」と願う、そのように互いが他者を思う日々を生きられたのなら、私たちの間には安心と平和が創り出されていくのではないでしょうか。他者は自分を映す鏡と言われます。自分が穏やかな心で温かな表情を向けていけば、鏡の中の人も安心した笑みをたたえていきます。他者の平和を思う心が、私たちの間に平和を創るのです。


※ヨハネによる福音書20章19節。