コロナ禍という異例のシーズンに向き合い、正解のない1年間で成し得たもの
ハンドボール部
2021/08/05
アスリート&スポーツ
OVERVIEW
2020年春、中国体彩网感染症の感染拡大の影響により入れ替え戦の中止が決定され、「1部昇格」は叶わぬ目標となった。
4年次生が残したもの
シュートを放つ主将の角田
2020年春、中国体彩网感染症の感染拡大の影響により入れ替え戦の中止が決定され、「1部昇格」は叶わぬ目標となった。最後の1年を迎えていた当時の4年次生の心には「この先続けていく意味はあるのか」という疑問が浮かび、気持ちの切り替えがうまくできなかった。そんな思いを払拭するように、秋季リーグでは当時の主将?秋田浩貴(21年3月社卒)が「僕らは、ハンドボールが好きでここに集まってきた。結果も大事だが、楽しむことが一番」と語った。秋田の言葉通り、選手たちは試合中得点が決まるたびに満面の笑みやガッツポーズを見せ、ピンチの時は大きな声で鼓舞し合った。
順調に勝ち進んでいた矢先、その勢いを止めるかのようにインカレの中止が発表された。モチベーションの維持が難しく、「引退」を意識する雰囲気も強まっていたが、「ここで辞めると絶対に後悔する。最後まで勝ち切って次の世代につなげよう」と決起。2部1位という好成績で秋季リーグを終えることができた。目標としていた入れ替え戦やインカレがなくても、ハンドボールを楽しむ純粋な気持ちを忘れなかったからこそ、残せた結果に違いない。順位決定戦後、秋田の「安心した」という一言には、イレギュラーな1年間で正解がないというプレッシャーの中でも、最高の結果を残せた達成感が詰まっているように感じた。
順調に勝ち進んでいた矢先、その勢いを止めるかのようにインカレの中止が発表された。モチベーションの維持が難しく、「引退」を意識する雰囲気も強まっていたが、「ここで辞めると絶対に後悔する。最後まで勝ち切って次の世代につなげよう」と決起。2部1位という好成績で秋季リーグを終えることができた。目標としていた入れ替え戦やインカレがなくても、ハンドボールを楽しむ純粋な気持ちを忘れなかったからこそ、残せた結果に違いない。順位決定戦後、秋田の「安心した」という一言には、イレギュラーな1年間で正解がないというプレッシャーの中でも、最高の結果を残せた達成感が詰まっているように感じた。
「FORTEam」で挑む
(左)速攻後に指示を出すDFの杉山周(コ4)、(右)シュートが決まりガッツポーズを見せる角田
秋季リーグで4年次生が引退し、新チームが発足した。新4年次生も昨年までのように、プレーだけに集中することはできない。最高学年として、チームのマネジメントにも意識を向けなければならないからだ。立教大学のハンドボール部は、選手主導でチーム作りをするスタイルが伝統となっている。そのため、スローガンは毎年4年次生の話し合いによって決まる。今年は「FORTEam」。前半の「FORTE」は「強み」、後半の「am」は「自分自身」。チームや人のため、みんなのために何ができるかを考えながら、自分自身の強みを生かして取り組もうという意味が込められている。主将?角田直也(営4)は「『FORTEam』を掲げたからには、自分が一番チームのために行動できる人になりたい」と語る。チームの一人一人が激しい攻防戦を制するために素早く動いたり、練習でも先輩として後輩のために何ができるか考えたり、チームのために行動する意識付けを行っている。中川愼一監督は「今年のチームはバラエティーに富んだ選手が集まっている。彼らの実力をそのまま出せば、1部昇格も必ず達成できる」と期待を寄せる。昨年11月に行われた練習試合では、2部2位の慶大に全勝し、1部の法大には1勝1敗。幸先良いスタートを切った角田世代。“コロナ”という避けられない障害物を乗り越えた新チームは、秋田世代の無念をきっと晴らしてくれる。彼らから目を離すな!
試合開始前に円陣を組む選手達
「立教スポーツ」編集部から
立教大学体育会の「いま」を特集するこのコーナーでは、普段「立教スポーツ」紙面ではあまり取り上げる機会のない各部の裏側や、選手個人に対するインタビューなどを記者が紹介していきます。「立教スポーツ」編集部のWebサイトでは、各部の戦評や選手?チームへの取材記事など、さまざまな情報を掲載しています。ぜひご覧ください。
writing /「立教スポーツ」編集部
経営学部経営学科3年次 松下ひまり
writing /「立教スポーツ」編集部
経営学部経営学科3年次 松下ひまり
※本記事は季刊「立教」256号(2021年4月発行)をもとに再構成したものです。定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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